鏡まわりの間接照明で映りを整える洗面と全身鏡の光設計基本

明るい洗面で鏡前の髪を整える女性。鏡の左右の面光源が顔へ柔らかく光を返し、ホワイトマーブルが映える朝の洗面

modernova Research Desk です。

鏡まわりの間接照明は、鏡そのものを光らせる装飾ではなく、顔や全身にどの向きから光を返すかを整える設計です。

洗面ミラーでも全身鏡でも、映りが暗い、疲れて見える、服の色が分かりにくいという違和感は、光量不足だけでなく、光の向き、反射面、色温度、演色性のずれから起こります。

天井のダウンライトを足す前に、鏡に映る人へ光がどこから届いているかを確認すると、改善の優先順位が見えてくるものです。

同じ器具でも、立つ位置と壁面の反射で結果は変わります。鏡の前で実際にその場で先に必ず確認することが最短の近道です。

  • 鏡まわりで顔に影が出る理由
  • 洗面ミラーに向く色温度と演色性の見方
  • 全身鏡で服と輪郭を沈ませない照明配置
  • 後付けミラーライトで眩しさと配線を抑える考え方
目次

鏡の映りは光の向きで決まる

鏡の前で見ているのは鏡面ではなく、鏡に映った顔や身体です。

つまり、明るくすべき対象は鏡そのものではなく、鏡の前に立つ人の正面と側面になります。

この前提を外すと、器具は増えているのに映りは良くならないという状態が起こります。

最初に見るべきなのは、光源の位置と反射の向きです。

ダウンライトだけで影が出る理由

洗面所やドレッシングスペースでは、天井中央や鏡の手前にダウンライトが1灯だけ入っていることがあります。

この配置は床やカウンターを照らすには扱いやすいものの、鏡に映る顔を整える光としては不足が出やすい構成です。

鏡の前に人が立つと、上から来た光は額、鼻、頬骨、あごで遮られます。

その結果、目の下、鼻の下、あごの下に影が入り、顔色や肌の凹凸が実際より強く見えることがあります。

ここは見落としやすい点です。

光が強ければ解決するとは限らず、強い直下光を足すほど影の境界が硬くなる場合もあります。

メイクや髭剃りで違和感が出る空間では、明るさの量よりも、顔の正面へどれだけ柔らかく光を返せるかが先決です。

ダウンライトを使う場合でも、鏡の真上だけに頼らず、壁や鏡まわりの面から返る光を組み合わせるほうが安定します。

左右と正面の面光源が基準

顔を均一に見せる基本は、鏡側から顔へ光を戻すことです。

鏡の左右に配した縦のライン照明が、顔へ左右から柔らかい光を返す洗面ミラー。鏡面にLEDの点は映らない

プロのメイク環境やミラー付き洗面で、鏡の左右や上下に光源が置かれるのは、顔の前面と側面の影を同時に抑えるためです。

左右の縦ライン照明は、鼻やあごの下にできる影を弱め、頬やフェイスラインの明暗差を整えます。

片側だけの光では、反対側に影が残ります。

鏡背面の間接照明も、壁や鏡の縁へ光を当ててから顔まわりへ回すため、直接光の強い輝きが目に入りにくい構成です。

光源が露出しないほど、鏡面にLEDの点や器具の形が映り込みにくくなります。

面で返す光は影を完全に消すためではなく、影の境界を薄くし、肌や服の凹凸を極端に強調しないために使うものです。

鏡の左右、上下、背面のどこを使うかは、鏡の幅、立つ位置、カウンターの奥行きで決まるものです。

間接照明の置き方そのものを整理したい場合は、間接照明をどこに置くと反射面を作りやすいかもあわせて確認できます。

窓と鏡の位置で逆光を避ける

鏡まわりの映りは、人工照明だけでなく窓の位置にも左右されます。

鏡の正面、つまり立つ人の背面側に窓があると、外光が背後から入り、顔が暗いシルエットとして見えやすくなるのです。

写真撮影の逆光と同じ状態です。

自然光を活かすなら、窓は鏡の横、または鏡に映り込んで室内へ光を返す位置にあるほうが扱いやすくなります。

既存住宅では窓を動かせないため、鏡の左右にライン照明を入れる、ミラーキャビネットの上下から壁へ光を逃がす、背面発光で壁を明るくするなど、人工光で顔の前面を補うものです。

外光が強い時間帯と夜間で見え方が変わる場所では、調光や調色を使える器具も候補になります。

逆光の問題は、光を足す前に立ち位置を変えるだけで確認できるのです。

鏡の前に立ち、顔の正面が暗く沈むなら、背面の明るさに対して顔側の光が負けている状態です。

舞台や撮影の現場では、鏡面をわずかに下へ傾け、強い反射光を床へ逃がすような反射角の処理が行われることがあります。

住宅で同じ手法をそのまま使う場面は限られますが、入射角と反射角を意識し、目線へ強い光を返さないという考え方が共通点です。

洗面や玄関では、器具の光が鏡に直接映る位置を避け、壁や天井に一度当てた光を使うだけでも、眩しさと映り込みを抑えやすくなります。

洗面ミラーの光を整える

洗面ミラーは、空間演出と身支度の作業が同じ場所に重なる設備です。

くつろぎの光だけに寄せるとメイクや髭剃りの精度が落ち、作業用の白い光だけに寄せると夜の洗面空間が強く感じられます。

必要なのは、時間帯と用途で光を切り替えられる余地を残すことです。

色温度、演色性、反射面の順に見ていくと判断しやすくなります。

色温度は朝と夜で分ける

色温度は、光の青みや赤みを示す指標です。

朝の高演色な白色光で色が正しく見える明るい洗面。身支度に向く色の見え方

一般的な目安として、電球色は約2700Kから3000K、温白色は約3500K、白色から昼白色は約4000Kから5000K、昼光色は約6000K以上として整理されます。 Panasonic: LED light color

洗面ミラーでメイクや髭剃りをするなら、自然光に近い昼白色の光が色の判断に向くものです。

DR上では、白色から昼白色の約4000Kから5000Kは自然光に近く、化粧品の色味を再現しやすい領域として整理されています。

一方で、夜の入浴前後や就寝前は、約2700Kから3000Kの電球色のほうが空間の印象を落ち着かせやすいものです。

ただ、電球色だけで朝のメイクを判断すると、肌が暖色寄りに見え、外光下で仕上がりが変わって見える場合があります。

昼光色のように青白い光を強く使うと、くすみや毛穴が強く見え、血色を補う方向へメイクが寄ることもあります。

朝は5000K前後、夜は2700K前後という使い分けは、一般的な目安として有効です。

色温度の選び方を部屋全体で整理する場合は、間接照明の色温度を用途別に見る考え方が参考になります。

洗面所は朝だけでなく、帰宅後、入浴前後、就寝前にも使われる場所です。

同じミラー照明でも、朝は色を読むための光、夜は強い刺激を避けるための光というように、時間帯で求められる役割が変わります。

調色できない器具を選ぶ場合は、洗面台の主照明を白色寄りにし、背面や足元の間接照明を電球色寄りにするなど、複数の光で役割を分ける方法も有効です。

単一の色温度で全時間帯を満たそうとすると、朝か夜のどちらかに寄りすぎるため、スイッチ系統や調光範囲も選定時に確認します。

高演色はRaと赤の再現を見る

鏡まわりでは、光の色だけでなく、色の見え方をどれだけ自然光に近づけられるかも重要です。

この性質は演色性と呼ばれ、一般的には平均演色評価数のRaで示されるものです。

メイクや衣服の色合わせを行う場所では、DR上でRa90以上が推奨ラインとして整理されています。

JISの高演色形クラスでは、クラス2がRa90以上で、美容室、メイクルーム、医療機関の診察室など、高い色再現が求められる場所に対応します。

Raだけで判断しきれない点も。

Raの算出には鮮やかな赤を示すR9が含まれないため、同じRa90でも肌の血色や唇の赤みが弱く見える照明があります。

肌色を自然に見せたい場所では、R9、R13、R15のような特殊演色評価数も確認できる製品が扱いやすい選択肢です。

製品表示にRaしかない場合は、洗面やメイク向けの高演色LEDとして販売されているか、メーカー資料で用途がどう示されているかを確認します。

色の判断をする鏡では、明るいだけの器具より、赤みと肌色を破綻させにくい器具を優先します。

洗面化粧台に組み込まれた縦型ライン照明は、この条件を製品側で満たそうとする設計です。

DR上では、鏡の左右に2本のLEDを配置し、あごの下や顔の側面まで光を届けるツインラインLEDの例が挙げられています。

左右対称の光は、見た目を整えるためだけでなく、片側の頬や首に残る影を減らすために機能するものです。

タッチレスで点灯、消灯、調光できる製品もあり、化粧品や洗顔で手が濡れている場面では操作面の利点もあります。

ただ、こうした機能は配光と色の条件が整っている場合に効果を発揮するものです。

DR上では、高演色形クラス3とクラス4はいずれもRa95以上として整理されています。

美術館や色比較ブースのような厳密な環境ではより高い再現性が求められますが、住宅の洗面ミラーでまず見るべきラインは、用途に対してRa90以上を確保できるかです。

高い数値だけを追うより、顔の前に光が届く配置、鏡面への映り込み、壁色による色かぶりを同時に調整するほうが実用的です。

◆Research Desk のワンポイント

洗面ミラーの光は、顔を明るくする光と、空間を整える光を分けて考えると迷いにくくなります。朝の身支度は色を判断する光、夜は反射を弱めた光というように、同じ鏡でも使う時間で役割が変わるものです。

ミラーまわりは反射面も選ぶ

間接照明は、光を当てる面の色と素材で見え方が変わります。

鏡まわりのグレージュの壁面がやわらかく光を返し、顔に届く光の質を整える素材のディテール

鏡の背面や周囲の壁へ光を当てる場合、壁紙、タイル、石目調、木目調、凹凸のある建材が反射光の質を作るものです。

DR上では、真っ白な壁面のマンセル値N10は反射が強すぎる場合があり、無彩色グレーのN7は顔色を青白く見せる場合があると整理されています。

肌を自然に見せる方向では、10YR系のわずかに暖色を含む明るいグレージュ、目安として10YR 7/1から6/1が候補になります。

これは色名の好みではなく、反射して顔へ戻る光にわずかな暖色を含ませるための選び方です。

凹凸のある面へ光を当てると、影のグラデーションが出て、鏡まわりの壁に奥行きが生まれます。

ただし、鏡の近くに強い反射面を置くと、器具やLEDチップが鏡面に映り込むことがあります。

壁材と照明を同時に選ぶ場合は、サンプルに光を当て、鏡の前に立った位置から反射の強さを確認してください。

間接照明を組み込んだ洗面では、コーブ照明、コーニス照明、バランス照明の考え方も応用できます。

コーブ照明は天井面へ光を返し、コーニス照明は壁面へ光を下ろすものです。

バランス照明は天井と壁の両方へ光を逃がすため、鏡まわりだけが明るく浮く状態を避けやすくなります。

小さな洗面空間では、鏡裏の発光だけで完結させず、壁、天井、カウンターの反射を重ねると、顔の正面に届く光が薄く広がります。

反射面の素材を見たい場合は、サンプルに近い距離から光を当てるだけでなく、実際に鏡の前へ立つ高さから確認してください。

カウンターの素材も小さく効きます。

明るい洗面ボウルやカウンターは下から顔へ弱い反射を返し、あご下の影を和らげる方向に働くものです。

暗い天板やマットな素材は光を吸収しやすく、同じ器具でも顔の下側が沈んで見える場合があります。

器具だけを交換しても改善が薄いときは、光が当たっている面が返しているか、吸収しているかを見ると原因を切り分けやすくなるはずです。

全身鏡は全体を沈ませない

全身鏡の照明では、顔だけでなく、肩、腰、足元、服の色まで見える必要があります。

洗面ミラーと同じく上からの光だけに頼ると、顔や身体の凹凸に影が入り、輪郭が重く見えがちです。

玄関、廊下、ウォークインクローゼットでは、鏡が光を返す建築的な面にもなります。

身支度の精度と空間の広がりを同時に見ることが、全身鏡の照明設計です。

両脇の光で輪郭を拾う

全身鏡では、鏡の両脇から身体を包むように光を入れる配置が安定します。

全身鏡の両脇に立てたライン照明が、頭から足元まで均一に輪郭を照らす広角の洗面

ブラケットライトや縦型のライン照明を左右に置くと、顔だけでなく肩から足元までの輪郭を拾いやすくなるはずです。

片側だけに光を寄せると、反対側の袖、脚、髪の影が強くなり、服のバランスを見誤ることがあります。

ダウンライトを使う場合、鏡の真上に寄せると直下の影が出やすくなるものです。

DR上では、壁面から300mmから450mm程度離した位置にダウンライトを置き、壁や鏡で反射させる考え方が示されています。

照射角度を変えられるユニバーサルダウンライトを使うなら、鏡そのものではなく、鏡の前の床や人物の足元へ光を向ける方法も有効です。

ダウンライト同士の間隔は、一般的な目安として約900mmピッチが示されています。

器具の配光、天井高、壁の反射率で結果は変わるため、施工を伴う場合は設計者や電気工事の専門家に確認してください。

洗面向けの専用ダウンライトには、直下の光とミラーへ向かう光を分けて制御できる製品です。

DR上では、特殊配光レンズシートとアルミリフレクターを組み合わせたダブルウイング配光が、顔の前で直接光、ミラー反射光、カウンター反射光を交差させる例として挙げられています。

この方式では、ミラー前面から300mm離して設置する距離が設計条件として示されています。

天井高2400mmから3000mmの範囲でも顔の正面へ光を返すことを狙った設計ですが、寸法条件を外すと効果が変わるものです。

既製品の説明で「ミラー用」「バニティ用」と書かれている場合も、指定距離、天井高、ミラーの奥行きまで確認してから採用します。

反射で狭い場所を広く見せる

全身鏡は身だしなみの道具であると同時に、光と風景を返す面です。

姿見が続きの空間と採光を映し込み、狭い廊下を広く明るく見せる構図

廊下や玄関の奥行き方向に大きな姿見を置くと、鏡の中に続きの空間が見え、視覚的な奥行きが増すものです。

窓の対面に鏡を置けば、自然光を室内の奥へ返す効果も期待できます。

ただ、鏡は何でも映すため、光源、収納の雑多な面、強い外光まで同時に拾います。

映したいものと映したくないものを分けることが必要です。

DR上では、日本人の平均的な目線の高さとして約150cmを意識した配置が、反射効果を得やすい目安として挙げられています。

この高さは厳密な規格ではなく、住む人の身長、鏡のサイズ、玄関や廊下の幅で調整するものです。

複数方向の壁に鏡を無秩序に置くと、反射が重なって視覚的なノイズが増える場合があります。

鏡に何を映し、どこへ光を返すかを決めてから配置すると、全身鏡は狭い場所ほど効果的です。

ウィンドウミラーやミラートレイのように、身支度より反射演出を主目的にしたミラーもあります。

これらは光を散らすアクセントとして使えますが、全身の確認に使う姿見とは役割が異なるものです。

身支度用の鏡では、背景の明るさよりも、人物の前面、足元、服の色が読み取れることを優先します。

反射演出用の鏡では、照明器具そのものが映り込んでも意図として成立する場合がありますが、姿見では視線の邪魔になりがちです。

ウォークインクローゼットでは、棚の中を照らす光と全身鏡の前に立つ人を照らす光を分けて考えます。

収納内部が明るくても、鏡の前の人物に光が届いていなければ、服の色や素材感は沈むのです。

玄関では、靴脱ぎや框の段差を見る光も必要になるため、鏡だけを明るくするより、足元と姿見を同時に確認できる光の方向を作るほうが実用的です。

後付けで失敗を減らす

既存住宅や賃貸では、最初からミラー一体型の照明を選べないことがあります。

その場合でも、LEDテープライト、ミラーライト、配線カバー、スマートプラグを組み合わせると、鏡まわりの光を後から整えられるものです。

ただし、後付けの失敗は、光の線が見えすぎること、鏡に光源が映ること、テープが剥がれること、配線が目立つことに集中します。

器具を買う前に、点、眩しさ、固定、安全の順で確認します。

テープライトは点とグレアを隠す

LEDテープライトは、鏡の裏や縁に貼り付けやすく、後付けのミラー間接照明で使われやすい器具です。

一般的なテープライトでは、LEDチップの点が見えることがあります。

鏡の背面から壁へ漏れる光を滑らかに見せたい場合は、DR上でCOBタイプが候補として整理されています。

COBは蛍光体でチップ全体を覆い、点の連なりを目立ちにくくする方式です。

光源が目に入る位置にあると、間接照明のつもりでも眩しさが出ます。

乳白ガラス、フロストガラス、乳白色のポリカーボネートカバー、ディフューザーフィルムなどで光を拡散すると、強い点光源を面に近づけられます。

グレア対策は目の疲れだけの話ではありません。

鏡面にLEDチップが映ると、顔や服を見る視線の中に小さな輝点が入り、ミラーまわりの印象が散らかります。

後付けミラーライトには、鏡面にLEDラインが埋め込まれたタイプや、鏡の周囲に光源を並べるタイプです。

DR上では、5倍から7倍の拡大鏡、Bluetoothスピーカー、無段階調光・調色などを備える製品も整理されています。

機能が多い製品ほど便利に見えますが、洗面で本当に必要なのは、顔の正面に十分な光が届くこと、色を判断できること、眩しさを抑えられることです。

拡大鏡や音声機能は補助要素として扱い、主照明としての配光と演色性を先に見るのが基本です。

賃貸は固定と安全を分ける

LEDテープライトを壁紙や家具に直接貼ると、退去時にクロスが剥がれたり、糊跡が残ったりすることがあります。

鏡の縁に丁寧に貼った後付けのアルミチャンネル入りLEDテープ、粒の見えない後付けディテール

DR上では、マスキングテープを下地にして、その上からLEDテープを貼る方法が賃貸向けの防護策として挙げられています。

熱や湿気で剥がれやすい場所では、マウントベースと結束バンドで物理的に固定する方法も有効です。

アルミフレームにテープライトを収めると、放熱と見た目の整理を同時に行いやすくなります。

施工前には、貼付面の油分やホコリを落とし、完全に乾燥させるのが前提です。

本貼りの前にマスキングテープで仮止めし、点灯テストで光の広がり、影、鏡への映り込みを確認してください。

角を曲げるときにテープを強く折ると、内部基板が傷む場合があります。

指定のカットラインや専用コネクタを使う場合でも、製品ごとに再接続の可否が異なります。

PSEマークの確認、ACアダプターの容量、延長時の過電流やトラッキングのリスクは、製品仕様とメーカーの指示を優先してください。

配線を見せたくない場合は、間接照明の配線カバーで露出を抑える考え方が近い論点です。

仮止めの段階では、部屋を暗くした状態と、昼間に外光が入った状態の両方で見ます。

夜だけ確認すると、昼に窓光とLEDが重なったときの映り込みを見落としがちです。

昼だけ確認すると、夜にLEDチップの点や配線の影が強く出ることがあります。

角の処理も仕上がりを左右するものです。

90度の角でテープを強く折らず、少し浮かせてループ状に曲げるか、指定のカットラインとL字型コネクタを使う方法がDR上で示されています。

防水タイプなど、シリコンで覆われたテープライトは再利用や接続が難しい場合があるため、購入前にカット可否と接続部品を確認したい点です。

壁内配線や電源の増設を伴う作業は、法令、建物条件、製品仕様で扱いが変わります。判断に迷う場合は、電気工事の専門家、管理会社、製品メーカーに確認してください。

鏡本体と安全も映りを左右する

照明を整えても、鏡そのものが歪んでいれば、全身のラインや顔の見え方は安定しません。

大きな姿見では、ガラスの厚み、固定方法、飛散対策も照明と同じくらい実用に関わります。

毎日使う鏡ほど、明るさだけで選ばず、反射する面の品質と安全を確認したい点です。

鏡本体側の判断基準は、映りの歪みと安全の二点です。

歪みはガラスのたわみで起こる

鏡に映る像の歪みは、ガラス板のたわみから起こることがあります。

DR上では、ガラス厚3mm未満の薄い鏡は、自重、立て掛け時の応力、壁面の凹凸の影響を受けやすいと整理されています。

正確な映りを重視する場合は、最低でも5mm厚以上のガラスを使った高品質なミラーが候補です。

照明で色を整えたいなら、鏡側の色味も見ます。

高透過ミラーは、ガラス特有の青みを抑え、肌の血色や衣服の色をより忠実に見せる選択肢です。

高演色LEDを選んでも、鏡や壁面が色を変えて返せば、最終的な見え方はずれます。

鏡、光源、壁面を別々の部材として見ず、反射の連鎖として確認することが必要です。

特に全身鏡は、上端と下端で壁からの離れ方がわずかに変わるだけでも像の伸び縮みを感じることがあります。

立て掛け型を使う場合は、角度を変えると見え方が変わる点も確認します。

照明を足して輪郭がはっきりした結果、鏡の歪みが目立つこともあるため、照明計画と鏡の品質は同時に見たほうが確実です。

大型ミラーは転倒と飛散を抑える

全身鏡は面積が大きいため、転倒や割れへの対策も欠かせません。

立て掛け型のスタンドミラーは、地震や衝突で倒れると、避難経路を塞いだり、割れたガラスが危険になる場合があります。

DR上では、壁に固定する壁掛け型、石膏ボード用の固定具、ミラーマット、ミラーボンド、飛散防止フィルムが安全対策として挙げられています。

裏面に飛散防止フィルムを貼る場合、気泡が入っても映りに影響しにくい利点です。

ガラスを使わない選択肢として、特殊なポリエステルフィルムを張ったミラー、アクリルミラー、アルミミラーもあります。

軽量な鏡は固定の負担を下げやすい一方で、素材ごとに映り方や傷への強さが異なるものです。

安全対策は、見た目を損なう要素ではなく、長く同じ位置で鏡を使うための条件です。

賃貸や下地が不明な壁では、管理会社、施工者、製品メーカーの情報を確認してから固定方法を決めてください。

よくある質問とまとめ

鏡まわりの間接照明は、器具名だけで正解が決まるものではありません。

洗面、玄関、クローゼットで必要な見え方が変わるため、顔を照らす光、全身を拾う光、壁へ返す光を分けて考えます。

最後に、選定時につまずきやすい疑問を整理します。

鏡の間接照明でよくある質問

鏡の裏にLEDを貼れば顔は明るく見えますか。

背面発光だけでは、顔の正面まで十分に光が届かない場合があります。壁面を明るくして輪郭を整える効果はありますが、メイクや髭剃りには左右や正面からの補助光も検討します。

洗面ミラーは昼白色だけでよいですか。

朝の身支度には約4000Kから5000Kの白色から昼白色が扱いやすい一方、夜は約2700Kから3000Kの電球色が空間の印象を弱めやすくなります。用途が分かれる場所では、調光・調色を使える器具が候補です。

高演色LEDはRaだけ見れば足りますか。

Raは重要な指標ですが、肌や唇の赤みを見る場所ではR9も確認したい項目です。製品資料でR9、R13、R15などの特殊演色評価数が示されていると、肌色の再現性を判断しやすくなります。

全身鏡の上にダウンライトを置くのは避けるべきですか。

鏡の真上だけに寄せると、顔や身体に直下の影が出る場合があります。壁から300mmから450mm程度離した位置で反射光を使う方法や、左右から包む光を加える方法が候補になります。

賃貸でミラーライトを後付けする注意点は何ですか。

壁紙や家具へ直接強い粘着テープを貼らず、マスキングテープ下地、マウントベース、アルミフレームなどで原状回復を考えます。電源、発熱、延長、PSEマークは製品仕様を確認し、配線工事が必要な場合は専門家に相談してください。

鏡まわりの間接照明で最初に決めるべきことは、鏡を光らせることではなく、鏡に映る人へどの向きから光を返すかです。

洗面ミラーでは、天井からの直下光だけに頼らず、左右や正面から顔を包む光を作ると、目の下やあごの影を抑えやすくなります。

色温度は、朝の身支度なら約4000Kから5000K、夜の落ち着いた洗面空間なら約2700Kから3000Kが一般的な目安です。

メイクや服の色を判断する場所では、Ra90以上をひとつの基準にしつつ、肌の赤みを再現するR9も確認します。

全身鏡では、両脇の光で身体の輪郭を拾い、鏡が返す自然光や壁面の反射を利用すると、玄関や廊下の視覚的な奥行きも作れるものです。

後付けの場合は、COBタイプのLEDテープ、ディフューザー、配線カバー、マスキングテープ下地などで、点の見え方、眩しさ、固定、原状回復を順番に処理します。

大型ミラーでは、5mm厚以上のガラス、高透過ミラー、飛散防止、壁固定といった鏡本体側の条件も見落とせません。

光源、鏡、壁面、立つ位置をまとめて見ると、鏡の間接照明は装飾ではなく、毎日の身支度の精度を支える環境になります。

鏡まわりの疑問を解いた先では、部屋全体でどの光にどんな仕事をさせるかが次の判断です。顔や服を見るための光と、壁や天井に返して空間を整える光を分けて考えると、洗面だけでなくリビングや玄関の照明計画にもつながります。部屋単位で光の配分を見直す場合は、リビングの間接照明で光をどう配分するかも参照できます。

料理の手元を明るくしたいなら、キッチンの間接照明の考え方もあわせてどうぞ。

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