棚・飾り棚の間接照明で見せる収納とオブジェを引き立てる光

飾り棚の前で友人と器を眺める女性2人。棚下に隠した暖色の間接光が器や本を浮かび上がらせる夕のリビング

棚の間接照明は、棚そのものを明るく見せるためだけの照明ではありません。飾り棚、壁面収納、ニッチ棚、キャビネットの内部に置いた本や器、アートブック、フィギュア、小さなオブジェの輪郭を、背景から浮かび上がらせるための光です。棚板の下に光源を仕込むだけでも光は出ますが、発光部が見えたり、影が強く落ちたり、素材の色が濁ったりすると、見せたいものより照明器具の存在感が前に出ます。

modernova Research Deskです。棚の間接照明で重要なのは、細長いLEDをどこに置くかだけではなく、何を明るくし、何を暗く残し、どの面に反射させるかを決めることです。住宅の棚は店舗什器ほど奥行きや配線スペースに余裕がないため、光源の種類、色温度、演色性、棚板の厚み、配線の隠し方、熱と紫外線への配慮を同時に見ます。

棚や飾り棚の間接照明で理解を深められることは、次の4点です。

  • オブジェや本を引き立てる棚の光は、光源を見せない配置から決まること
  • 棚板下のLEDは、SMDとCOBの違いで見え方が変わること
  • 飾る物の色を崩さないために、Ra90以上や色温度の統一が効くこと
  • 配線、熱、紫外線への対策まで含めて、棚の見え方が安定すること

棚の照明は、リビングの主照明や寝室の補助照明とは性質が異なります。床面を明るくすることより、視線が止まる一点を作ることに役割があるのです。壁面収納の一部だけを光らせる、ニッチの奥だけを沈ませずに見せる、ガラス扉の内側に入れた小物の輪郭を拾うといった設計では、光量よりも光の出方が効きます。棚の内部で光が暴れると、置いた物の印象も乱れるのです。

また、棚は人の目に近い高さに設けられることが多い場所です。床に置いたフロアライトより発光部が視界に入りやすく、天井照明より距離が近いため、わずかなまぶしさでも気になります。飾り棚の光を上質に見せるには、LEDを強くするより、発光部を隠し、反射面を整え、置く物の色を崩さないことが先です。

幅の狭い棚ほど、光源の位置のずれは目立ちます。数センチ前後するだけで、背板が明るくなるか、展示物の上面だけが明るくなるかが変わるためです。奥行きの浅いニッチでは、発光部を隠す余白が少ないため、プロファイルの角度や棚板の前縁処理が仕上がりを左右します。奥行きの深い壁面収納では、光が奥で止まらないように、背面の色と反射も確認したい点です。棚の中で光が強く見える場所は、視線が最初に止まる場所になります。そのため、光源位置の検討は、飾る物を置いた状態で行うのが確実です。空の棚だけでは判断がずれるので注意。

目次

棚で光らせる対象を先に決める

棚の間接照明では、最初に照明器具を選ぶのではなく、棚の中でどの面を明るく見せるかを決めます。本の背表紙を読むための光、ガラスや陶器の輪郭を出す光、木製オブジェの陰影を見せる光では、必要な当て方が異なるものです。棚の奥板を明るくすると収納全体が背景から浮き、棚板の下面から前方へ光を落とすと展示物の前面が見えやすくなります。どちらを選ぶかで、同じLEDでも空間の印象は変わるものです。

ウォルナットの棚に並べた器や本を、棚下に隠した暖色の間接光が一点ずつ浮かび上がらせる飾り棚

棚に置いた物を引き立てる光は、棚全体を均一に明るくする光とは別です。全体を白く飛ばすと、オブジェの凹凸や素材の影が消えます。逆に光が弱すぎると、棚の奥が沈みすぎて飾った物が背景と一体化するのです。棚の間接照明では、対象物の輪郭が背景から分かれ、素材の表面に薄い明暗差が残る状態を目標にします。

見せる収納では影もデザインに含める

見せる収納の照明は、収納物をすべて均等に照らすより、明るい部分と暗い部分の差を残したほうが成立しやすいです。棚の背面をやや明るくし、手前のオブジェに影を落とすと、輪郭が読み取りやすくなります。背面が明るいと、濃い色の本や陶器はシルエットとして立ち、淡い色の器やアートブックは面の反射で柔らかく見えるものです。

反対に、棚板の前縁から強い光を直接当てると、展示物の前面だけが明るくなり、奥板に硬い影が出ます。フィギュアや小さな彫刻では顔や細部の影が強調されがちです。棚の光を整えるときは、明るさの量だけでなく、影の落ちる向きと濃さを見る必要があります。

影を完全に消す必要はありません。棚の奥に薄く影が残ると、器や本の厚みが読めます。小さなオブジェでも、背景との境界が分かれるため、棚の中で埋もれにくくなります。重要なのは、光源の位置で意図しない黒い影を作らないことです。棚板の下端、縦板の側面、背板の素材によって影の形は変わります。

棚を照らす光と物を照らす光を分けて考える

飾り棚では、棚の中を明るくする光と、飾った物を見せる光を分けて考えると失敗が減ります。棚の奥板や壁面に反射させる光は、空間の奥行きを作るための光です。オブジェや本の表面に届く光は、色や素材を読むための光です。この2つが混ざりすぎると、棚全体が明るいだけで焦点が弱い状態になります。

たとえば背面に淡いクロスや塗装面がある棚では、背面を光らせるだけで棚の奥行きが出ます。反射率の低い濃色の奥板では、同じ光量でも光が吸収されるため、対象物に向けた補助的な光が必要です。完全拡散面では輝度が反射率に比例するため、明るい面は光をよく返し、暗い面は光を吸収します。棚の照明計画では、置く物だけでなく、棚の内側の面が光を返すかどうかが判断点です。

白い奥板の棚では、少ない光量でも明るく見えやすくなります。黒や濃い木目の奥板では、棚の中が引き締まる一方で、光を吸収しやすくなるものです。ガラス棚や鏡面素材は光を返しますが、発光部や配線も映り込みます。素材の反射は味方にもノイズにもなるため、棚の内側の仕上げを照明計画の一部として扱うものです。

ニッチ棚では、奥行きが浅いため光源と展示物の距離が近くなります。光源が近すぎると、陶器の釉薬やガラス面に強い反射が出るものです。奥行きのある壁面収納では、反対に奥が暗くなり、手前の物だけが浮きやすくなります。棚の種類ごとに、光を奥へ逃がすのか、手前へ返すのかを決めることが必要。ニッチまわりの考え方は、ヌックやニッチで間接照明を使うときの考え方にも近いです。

光源は見えない線として納める

棚の間接照明で使われる主流の光源は、LEDテープライトやフレキシブルLEDモジュールです。幅の狭い棚板下、ニッチの奥、キャビネットの内部に収めやすく、直線的な光を作りやすいこと。ただし、LEDテープライトは貼るだけで完成する部材ではありません。チップの粒が見えるか、光が線としてつながるか、放熱できるか、発光部が視線に入らないかで、仕上がりは大きく変わります。

棚で使う場合は、光源そのものを見せず、棚板やアルミプロファイルの中に納めて、光だけを出す設計が基本です。発光部が正面から見えると、棚の中の本やオブジェよりも、LEDの点やラインが先に目に入ります。視線に入る発光部はグレアの原因にもなり、飾り棚の見え方を落ち着きのないものにするのです。

SMDとCOBで光の粒感が変わる

LEDテープライトには、SMDタイプとCOBタイプがあります。SMDタイプは基板上に独立したLEDチップが一定間隔で並ぶ構造です。5050のような大型チップは強い光量を得やすい一方、点状の粒感が出やすくなります。2835のような小型チップは、棚下や狭いコーブ照明など、光源を隠して使う場所に向きます。

棚板下に仕込んだCOBテープが、粒の見えない連続した暖色ラインを棚と器へ落とすマクロ

COBタイプは、高密度のLEDチップを基板上に連続して配置し、その上を樹脂で帯状に覆う構造です。点ではなく線として見えやすいため、浅い棚板下やガラス棚、反射しやすい素材を照らす場合に使いやすい方式。幅が1cm程度の細い製品も多く、棚の前縁やニッチの奥に納めやすい点も実用上の利点です。

SMDが不向きという意味ではありません。棚の奥深くに光源を隠せる場合や、強い光量が必要な長い壁面収納では、SMDのほうが扱いやすい場面があります。発光部が見える位置、反射面との距離、求める光量を見て、粒感を抑える必要がある場所ではCOB、光源を完全に隠せる場所ではSMDも候補に入ります。細長い光源は、点の集合として見せるのではなく、棚の中で途切れない線として扱うことが重要です。

棚の中でLEDの点が見えると、飾った物より光源のリズムが目立ちます。特に艶のある背板、ガラス扉、アクリルケース、鏡面の金物がある棚では、直接見えていない発光部も反射で現れるものです。乳白カバーを付けても、距離が近すぎると点の名残が残ります。浅い棚ほど、チップの間隔とカバーまでの距離を厳しく見ます。

光量が必要な場合でも、明るいLEDを一列だけ強く点灯させるより、棚の奥行きに合わせて反射面を使うほうが落ち着くものです。棚板下の一点に光を集中させると、上段の棚板や下段の展示物に明暗差が出すぎます。線状の光を面へ当て、面から返った光で対象物を見せると、棚全体の密度が上がるものです。

棚の幅が長い場合は、端部の暗さにも注意します。低電圧のLEDテープでは、電源から遠い端に向かって電圧が下がり、明るさが落ちることがあります。長い壁面収納では、片側からだけ給電するのではなく、仕様に応じた電源位置や給電方法を検討したい点です。光が端だけ暗い棚は、収納物の配置に関係なく視線が乱れるものです。

アルミプロファイルは見た目と熱を同時に整える

棚板下のLEDは、木材や樹脂面に直接貼るより、アルミプロファイルに収めたほうが安定します。アルミは200W/mK以上という高い熱伝導率を持ち、LEDテープライトから発生した熱を受けて周囲へ逃がします。LEDは赤外線をほとんど放射しないため照射面は熱くなりにくいですが、発光の過程で基板側には熱が発生するものです。この熱を逃がせないと、光束低下や色のずれ、寿命低下につながるものです。

棚板の裏に埋めたアルミプロファイルがLEDの粒を隠し放熱も担う、納まりのマクロ

DRで整理された条件では、裸のストリップを直接貼った場合、動作温度が75℃から90℃に達し、5,000時間未満で初期光出力の70%未満へ低下する例が示されています。アルミプロファイルを使うと45℃から65℃程度に下がり、10,000時間以上で初期光出力の90%を維持する条件が示されています。これは設置環境で変わりますが、棚のLEDを長く安定して使ううえで、放熱部材が見た目だけの部品ではない点を示すものです。

アルミプロファイルには、平らなUチャンネル型、埋め込み型、斜めに光を出すコーナー型があります。棚板下で発光部を隠すなら、乳白カバー付きのプロファイルが扱いやすいです。カバーはLEDの粒感を拡散し、直接視界に入るまぶしさを抑えます。プロファイルを棚板や背板の色に合わせると、器具の存在感も抑えられるものです。

放熱は、棚の材質にも影響されます。無垢材や突板の棚では、熱がこもると反りや接着面の劣化が起きる条件も。樹脂製の棚やメラミン化粧板でも、長時間の高温状態は避けたい要素です。アルミプロファイルはLEDだけでなく、棚材を過度な熱から離す役割も持ちます。

プロファイルを選ぶときは、見える幅も確認したい点です。幅の広いカバーは光を拡散しやすい一方、棚板下に白い線として見えることがあります。埋め込み型はすっきり納まりますが、掘り込み寸法が必要です。後付けでは、棚板の下に貼り付ける薄型プロファイルのほうが扱いやすい場面があります。どちらを選ぶ場合も、発光面が正面から直接見えない角度を優先するのが基本です。

Research Deskのワンポイント

棚のLEDは、明るさより先に「発光部が見えるか」を確認します。正面からLEDの点や白いラインが見える場合は、棚板の前縁、プロファイルの角度、乳白カバーの有無を調整したい点です。

色と質感はRaと色温度で整える

棚や飾り棚では、明るさだけでなく、飾った物の色が正しく見えるかが重要です。本の背表紙、アートブック、陶器、木製オブジェ、布製品、フィギュアは、色の再現性が低い光を当てると素材感が弱く見えます。一般的なLEDはRa80程度にとどまることが多く、木材の深い色やファブリックの質感がくすんで見えがちです。飾る物の色を重視する棚では、Ra90以上の高演色LEDを候補にします。

色温度も棚の印象を大きく左右するものです。電球色の約2700Kから3000Kは、木部や陶器の陰影を落ち着いて見せます。約4000Kから5000Kの白色から昼白色は、アートブックや書籍、フィギュアなど、色を比較的正確に見たい棚に向くものです。6000Kから6500K以上の昼光色は、透明感を出しやすい一方、住宅の飾り棚では硬く冷たい印象になりやすいため、使う場所を選びます。 Panasonic: LED light color

Ra90以上は飾る物の色を崩しにくい

演色性は、光が物の色をどれだけ自然に見せるかを示す指標です。Raは平均演色評価数で、Ra90以上のLEDは高演色と呼ばれます。棚で赤みのある木材、濃色の本、革小物、陶器、フィギュアを見せる場合は、Raの数値だけでなく、赤の再現性に関係するR9も確認したい要素です。R9が弱い光では、赤や茶系の色が沈み、木部や革の質感が薄く見えることがあります。

木の器や布装の本が高演色の暖色光で色鮮やかに見える、飾り棚の近景

見せる収納では、収納物の色が空間の一部になるのです。棚を照らす光の色再現性が低いと、同じ本やオブジェでも安価に見えたり、周囲の壁や家具と色が合わなく見えたりします。高演色LEDは、棚の中身を過度に明るくするためではなく、素材が本来持つ色差を崩さず読むための部材です。

特に赤、茶、黒、生成り、深い緑は、演色性の差が出やすい色です。赤い背表紙が沈む、木部が灰色に寄る、布の織りが平板に見えるといった違いは、棚の高低差より目立つ場合があります。飾り棚では、明るさを上げるだけでは色の再現性は補えません。光量と演色性は別の指標として確認します。

Raは全体の平均を示すため、Ra90以上でも赤の見え方が必ず十分とは限りません。赤みのある木、革小物、絵画、フィギュアを飾る棚では、R9の数値を確認できる製品のほうが判断しやすくなります。製品情報に演色性が明記されていないLEDは、見せる収納の主役照明としては慎重に扱いたいところです。

色温度は棚だけでなく部屋全体とそろえる

棚の間接照明だけを電球色にして、部屋の主照明が昼白色だと、人の目は色の違いを強く感じます。飾り棚は壁面や家具と一体で見えるため、色温度が周囲と合わないと、棚だけが別の空間のように浮くのです。リビングや寝室の棚では、既存照明が電球色から温白色なら、棚のLEDも2700Kから3500K程度で合わせると統一しやすいです。

書籍やアートを見せる棚では、4000Kから5000Kの光も候補になります。ただし、同じ部屋の照明と色温度が離れすぎると、棚の中だけが青白く見えるのです。色温度の選び方は、棚単体ではなく、天井照明、フロアライト、壁面の反射色と合わせて決めるものです。色温度の基本は、間接照明の色温度を選ぶときの考え方でも整理できます。

調色機能付きのLEDは便利ですが、白色を正確に美しく見せる目的には注意が必要です。RGB式の光は演出には向きますが、純粋な白色や素材の色を見せる用途では色再現が難しくなります。飾り棚で本や陶器、アートブックを見せるなら、最初から目的の色温度と高演色性を持つ白色LEDを選ぶほうが安定します。

複数の棚を同じ部屋に設ける場合は、棚ごとに色温度を変えないことも重要です。ひとつの棚が2700K、別の棚が5000Kだと、収納物の色だけでなく壁面全体のまとまりも崩れます。リビングの壁面収納では、主照明が温白色なら棚も温白色に寄せ、作業用の棚だけ昼白色にする場合は照明の役割を明確に分けるものです。

配線と保護まで棚の設計に含める

棚の間接照明は、完成後に見える光より、完成後に見えない部分で品質が決まります。LEDテープライト、アルミプロファイル、電源アダプター、コントローラー、配線、スイッチ、リモコン受信部をどこに納めるかを決めないまま始めると、棚の横や背面にケーブルが露出します。見せる収納では、この露出が視覚的なノイズになるのです。

新築やリノベーションで棚を造作する場合は、設計段階で配線経路、電源位置、メンテナンス時に手が届く点検口を用意します。既存の棚に後付けする場合は、壁内配線を前提にせず、配線モール、樹脂製コードカバー、家具の裏側、棚の死角を使って隠すのが現実的です。電気工事が必要な内容は、法令や自治体、製品仕様で扱いが変わるため、専門家に相談して判断するのが前提です。

棚板の厚みと溝寸法で見え方が変わる

棚板下にLEDを埋め込む場合は、LEDとアルミプロファイルの高さに対して、溝の深さを確保します。DRでは、アルミプロファイルに収めたLED照明の奥行きが8mmの場合、完全に埋め込むには棚板の掘り込み深さが10mmから13mm程度必要になる条件が示されています。棚板の厚みが30mmになると構造的には余裕が出ますが、正面から見たときに重く見えがちです。

棚板前端の溝にLEDプロファイルを埋め込み、テーパー加工で薄く見せる断面ディテール

見た目を軽くするには、棚板の前端をテーパー加工し、正面から見える厚みを10mmや15mmに抑える方法があります。奥側ではLEDを納める厚みを確保し、前からは細く見せる考え方です。棚板下の間接照明は、光の計画と家具の断面設計がつながっているため、器具の寸法だけでなく、棚板の見付け寸法も同時に見ます。

棚板の前縁に光源を近づけすぎると、下段の本やオブジェに強い影が出るものです。奥に寄せすぎると、手前の物が暗くなります。30度程度の照射角や、棚の奥から手前へ斜めに光を出すプロファイルを使うと、発光部を隠しながら対象物へ光を回しやすくなるはずです。光源位置を決めるときは、間接照明の置き場所と反射面の考え方を棚の寸法に置き換えて検討します。

配線は隠す場所と触れる場所を分ける

後付けの棚照明では、配線をすべて壁内に隠すことは前提にできません。配線モールやプラスチック製アングルモールを、壁紙や棚の色に合わせて選び、棚の縦板、家具の端、巾木の近くに沿わせると目立ちにくくなります。コントローラーやアダプターは、放熱と点検のために完全に密閉せず、手が届く場所にまとめるのが基本です。

棚背面の配線をスリム溝に納めて隠し、前面を整然と保つ飾り棚のディテール

長い棚や壁面収納で5mを超える連続配線になる場合は、12V仕様より24V仕様のLEDが候補になります。24Vは電圧降下による端部の暗さが出にくく、長い距離で明るさをそろえやすい方式です。ただし、電源、コントローラー、LEDテープの仕様をそろえる必要があります。切断や接続は製品のカットラインに従い、はんだ付けや熱収縮チューブによる絶縁、専用コネクターの使用など、確実な接続が必要です。

リビングや寝室の一般的な棚ではIP20の非防水仕様が使いやすいですが、キッチン周辺、洗面所、屋外に近い棚、湿気や水はねがある場所ではIP65以上の防水・防塵仕様を検討します。防水仕様でも施工条件で安全性は変わるものです。水回りや電源まわりに関わる場合は、DIYで判断せず、専門家に確認します。

スイッチの位置も見え方に影響します。棚の近くに目立つスイッチを付けると、せっかく隠した配線の印象が戻るのです。人感センサー付きの製品を使う場合は、赤外線受信部やセンサー部を遮らない位置に置きます。扉付きのキャビネットでは、扉を閉めた状態で熱がこもらないか、点灯したままにならないかも確認したい点です。

棚に置く物の保護も、照明計画に含まれます。一般的なLED照明は紫外線をほぼゼロに近いレベルでしか放射しないため、白熱灯やハロゲンランプより本や展示物に向くものです。一方で、窓から差し込む日光には大量の紫外線が含まれます。照明をLEDにしても、直射日光が入る棚では紙の黄ばみ、インクの退色、樹脂やプラスチックの劣化が進むのです。

本やフィギュアを飾る棚は、窓からの直射を避ける配置が第一です。移動できない棚では、UVカットフィルムを窓ガラスに施工する方法があります。DRでは、無色透明のUVカットフィルムで有害なUVAおよびUVBを99%以上遮断できる条件が示されています。ケース側にUVカット仕様のアクリルを使う、ガラス扉の内側にフィルムを貼るといった二段構えも有効です。

熱に弱い紙、樹脂、塗装品を飾る場合は、照明を近づけすぎないことも大切です。LEDは照射面を強く熱しにくい光源ですが、発光部と電源まわりには熱が出ます。密閉されたケースの中に電源アダプターを入れると、光源以外の熱がこもるものです。展示物の保護を考えるなら、発光部、電源、コントローラーの置き場所を分けます。

紙ものを多く置く棚では、光を当てる時間も管理したい点です。常時点灯にすると見た目は安定しますが、展示物への光の累積量は増えます。日常の見せ場として使う棚なら、必要な時間だけ点灯できるスイッチ、リモコン、人感センサーを組み合わせるのが現実的です。光をきれいに見せることと、飾る物を長く残すことは同時に考える対象です。

棚の間接照明でよくある疑問

棚の間接照明はLEDテープを貼るだけで成立しますか。

貼るだけでも点灯はしますが、見せる収納として整えるには不足しやすいです。発光部が見えるとまぶしさが出ます。木部に直接貼ると熱が逃げにくく、光束低下や色ずれにつながるものです。棚ではアルミプロファイル、乳白カバー、配線経路まで含めて設計します。

飾り棚にはSMDとCOBのどちらが向きますか。

発光部が見えやすい浅い棚やガラス棚では、線として光りやすいCOBが扱いやすいです。光源を奥に隠せる棚や、強い光量が必要な長い壁面収納ではSMDも候補になります。選び方は、光源が視線に入るか、反射面が近いか、どの程度の光量が必要かで決めます。

飾った物の色をきれいに見せるには何を見ればよいですか。

Ra90以上の高演色LEDを候補にし、赤の再現性に関わるR9も確認します。木材、革、陶器、フィギュア、アートブックは色再現性の差が見えやすい素材です。色温度は棚だけでなく、部屋の主照明や壁面の色とそろえて選びます。

棚のLEDは紫外線で本やフィギュアを傷めますか。

一般的なLED照明は紫外線をほぼゼロに近いレベルでしか放射しないため、従来の白熱灯やハロゲンランプより展示物に向きます。ただし、窓から入る日光には多くの紫外線が含まれるものです。本やフィギュアを長く保護したい場合は、直射日光を避け、UVカットフィルムやケース側の対策を組み合わせます。

棚の間接照明で電気工事は必要ですか。

コンセント式のLEDテープライトを家具に後付けするだけなら、製品仕様の範囲で設置できる場合があります。壁内配線、スイッチ新設、電源増設、水回りでの施工は扱いが変わるものです。安全に関わるため、電気工事や法令に触れる内容は専門家へ相談します。

棚の光は器具より納まりで決まる

棚や飾り棚の間接照明では、光源の明るさだけを追うと、発光部のまぶしさ、強い影、色の濁り、配線の露出が残ります。見せる収納を成立させるには、飾る物、棚の奥板、棚板の前縁、配線の逃げ、放熱の位置を一体で見るものです。LEDは棚の中に置く小さな部材ですが、光の向きと納まり次第で、オブジェの輪郭や本の背表紙の読みやすさは大きく変わります。

基本の判断順は明確です。まず、棚の中で何を見せるかを決めます。次に、発光部を視線から隠し、SMDかCOBかを選ぶ流れです。さらに、Ra90以上やR9の確認、2700Kから5000K程度の色温度選びで、飾る物の色を整えます。最後に、アルミプロファイル、乳白カバー、配線モール、点検しやすい電源位置を組み合わせ、熱とノイズを抑えるものです。

棚板の厚み、溝の深さ、プロファイルの向きは、照明器具を隠すための細部ではありません。棚の正面から見える線を細くし、発光部を視界から外し、光を奥板や展示物へ返すための設計要素です。棚の下端が重く見えるなら、テーパー加工や埋め込み型の納まりを検討します。LEDの点が映り込むなら、COBや乳白カバー、光源位置の見直しが有効です。

紫外線については、室内照明をLEDへ置き換えることが保護の第一歩になります。ただし、本やコレクションを長く守るには、窓からの直射日光、UVカットフィルム、ケースや棚の配置も同時に考えます。棚の間接照明は、光を足す作業ではなく、視線、陰影、色、熱、配線を調整する作業です。

棚の光を整えたあとに残る疑問は、部屋全体の中でその棚にどれだけ目を集めるかです。棚だけを明るくすると視線は集まりますが、周囲の壁や床が沈みすぎると空間全体のつながりは弱くなります。リビング全体の光の配分まで広げて考える場合は、リビングで間接照明をどの面に配るかを合わせて見ると、棚の光を部屋全体の中で位置づけやすくなります。

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